
私の父のシルク印刷屋、シーガルハウスのウェブサイトです。近年〜制作当時(2007年)、元来シルクスクリーン印刷で行われていた印刷物は他の安価なインクジェット印刷に置き換えが進んでおり、このままではシルク印刷で食べていくことが困難である見通しでした。その救済策の1つとしてWebを立ち上げることになったのです。
シーガルハウスのWebをデザインするにあたり、まず金額勝負はやめにしようと考えました。安さを売りにしても競争になりますし、食べていけません。その上で、シーガルハウスの強みは「小ロット・即日・品質・特殊面」であると明確化し、これでいかにWebからの印刷需要を呼び寄せられるかを考えました。
ほとんどの印刷屋は1000部2000部といった大ロットで、かつ決まった素材などにしか印刷してくれません。これは100部だけ欲しい品質重視のデザイナーさんや、すでにある物にどうにか印刷してほしいといった特殊な要望に応えられる印刷屋が無いということです。それらを求める方がいくらネットで探して問い合わせても、受けてくれる印刷屋はほとんど無いのです。
シーガルハウスの強みに合致するのはこの需要層であると考えました。強みが生かせるのはもちろん、今までとは全く異なるシルク印刷の需要を開拓できる。そこでWebデザインのコンセプトは「『ここならやってくれそうだ』と思われる印刷屋」としました。そう思って頂ければ問い合わせにつながり、そして受注につながるという計算です。
それを表すため“印刷職人”が1人でやっている小さな印刷屋=シーガルハウスをビジュアルに、外も内も見せつけるデザインにしました。ネット広告は一切打たず、その代わりブログを開設し、検索エンジンからのアクセスを獲得すると共に、印刷について知りたい一般の方や美大生への啓蒙活動も行っていこうと考えました。これは、社会貢献としてです。
このWebサイトを立ち上げ後、徐々に問い合わせ・制作案件が増え、無事に食べていけていることはもちろん、様々なクリエイティブ関連の需要が広がりつつあり、また雑誌「デザインの現場」にて紹介されるまでになりました。